2010/2/8

産業・貿易

サービス市場自由化指令の履行低調、加盟国の3分の2が対応遅延

この記事の要約

EUのサービス市場を自由化する指令の履行が遅れている加盟国が全体の3分の2に上ることが、欧州商工会議所(ユーロチェンバース)の調査で分かった。各国は2009年12月末までに指令内容を実施する義務を負っているが、同調査によ […]

EUのサービス市場を自由化する指令の履行が遅れている加盟国が全体の3分の2に上ることが、欧州商工会議所(ユーロチェンバース)の調査で分かった。各国は2009年12月末までに指令内容を実施する義務を負っているが、同調査によると実施状況が「良好」と判定されたのは9カ国だけだった。同指令により域内サービス業の国境を越えた事業展開が促進され、大きな雇用創出効果ももたらすと期待されているだけに、商工会議所は各国に速やかな対応を求めている。

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2006年12月に採択された指令は、金融、運輸、ヘルスケア、人材派遣、警備などを除くサービス分野が対象。域内の業者が他の加盟国で事業展開する際に直面する規制や煩雑な手続きを簡略化し、進出の障壁を減らすのが狙いだ。各加盟国が進出企業の受け入れ窓口を一本化し、必要な手続きを電子メールのやりとりだけで行えるようにすることや、進出業者による現地での事務所設置、職業団体加盟の義務を免除することなどが盛り込まれている。各国は昨年12月28日までに指令内容を実施することを求められていた。

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欧州商工会議所の調査で「良好」とされたのは、加盟国(調査対象外だったリトアニアを除くEU26カ国)のうちドイツ、英国、オランダ、スウェーデン、フィンランド、デンマーク、チェコ、ハンガリー、エストニアの9カ国。フランス、スペイン、ベルギー、オーストリア、ポルトガル、ルクセンブルク、ルーマニア、マルタ、キプロスの9カ国は「並み」にとどまり、イタリア、ポーランドなど残る8カ国は対応が大きく遅れていると判定された。

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