欧州委員会は18日、米マイクロソフト(MS)とヤフーがネット検索・広告事業を実質的に統合する提携計画を無条件で承認した。競争を大きく阻害する懸念はないため。米司法省もこの日、承認を発表している。
\両社が昨年12月に締結した契約では、MSは10年間にわたりヤフーの検索技術の独占使用権を取得するとともにヤフーのネット検索・広告関連の従業員を雇用する。ヤフーはMSの検索エンジン「ビング」と検索広告プラットフォームを採用し、MSがヤフーのネット検索・広告の独占提供者となる。MSは最初の5年間についてヤフーおよびヤフーの提携サイトによる検索広告収入の12%を取得し、88%をヤフーにアクセス費として支払う。
\欧州では米検索エンジン最大手グーグルがネット検索・広告で90%以上のシェアを握り、MSとヤフーのシェアは合わせて10%にも満たない。マイクロソフトはヤフーとの事業提携によりグーグルに対抗して広告主に優れたサービスを提供できるようになると主張。欧州委の調査でも検索広告で競争力を強化するには規模の拡大が重要であることが判明した。また、ネット検索の利用者や広告主、オンライン出版社など関連企業に統合の影響について考えを聞いたところ、両社の取引が競争を促進すると前向きに受け止めていることもわかり、提携に競争上の問題はないと判断した。
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