2010/2/22

競争法

独通販大手による競合の商標権取得、欧州委が条件付きで承認

この記事の要約

欧州委員会は16日、独通信販売大手オットーが経営破たんした独プリモンドの一部事業を取得する計画を承認したと発表した。オットーはプリモンド傘下の通販大手「クヴェレ」の商標権および顧客データベースを取得する条件として、複数の […]

欧州委員会は16日、独通信販売大手オットーが経営破たんした独プリモンドの一部事業を取得する計画を承認したと発表した。オットーはプリモンド傘下の通販大手「クヴェレ」の商標権および顧客データベースを取得する条件として、複数の自社ブランドの商標権を第3社に譲渡することなどを提案しており、両社の取引によってドイツの通販市場で著しく競争が阻害される可能性は極めて低いと判断した。

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オットーは昨年11月、プリモンドから国内および中東欧市場におけるクヴェレ・ブランドの商標権とドイツ国内の顧客データベース、さらにクヴェレのロシア事業を取得したと発表した。ドイツの通販市場でクヴェレはオットーにとって最大のライバルであることから、欧州委は当初の計画を認めた場合、女性用衣料品やスポーツウェアなど8つのカテゴリーで公正な競争がゆがめられる恐れがあると指摘。オットーに計画の見直しを迫っていた。

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欧州委によると、オットーはウェブシャッツ、ユニバーズム、カーサマックスなどの商標権を第3者に譲渡するほか、これらブランドの商標権取得者にオットーと同じ条件でクヴェレの顧客データベースにアクセスする権利を与える改善策を提示した。欧州委は詳細な市場分析を行った結果、一連の措置によって競争上の懸念は払拭されると結論づけた。なお、クヴェレのロシア事業に関しては、無条件でプリモンドからの取得を承認した。

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