2010/2/22

欧州ビジネスウオッチ

SAS民営化の気運高まる、北欧3カ国が株売却検討

この記事の要約

北欧航空大手スカンジナビア航空(SAS)の筆頭株主であるスウェーデン政府は18日、国有企業民営化の一環として、SASの持ち株比率縮小を議会に提案した。同じくSASに出資するデンマーク、ノルウェー政府も持ち株売却に前向きで […]

北欧航空大手スカンジナビア航空(SAS)の筆頭株主であるスウェーデン政府は18日、国有企業民営化の一環として、SASの持ち株比率縮小を議会に提案した。同じくSASに出資するデンマーク、ノルウェー政府も持ち株売却に前向きで、赤字が続く同社の民営化に向けた気運が強まってきた。

\

SASにはスウェーデン、デンマーク、ノルウェーの3政府が計50%を出資する。持ち株比率はスウェーデンが21.4%、デンマークとノルウェーが各14.3%。

\

スウェーデンでは中道右派の現政権が2006年に発足してから国営企業の民営化が進んでいる。オロフソン企業相は赤字のSASについて、「保有株を即座に売却するつもりはない」としながらも、「同社の株式を長期的に保有し続けることへの意義も見出せない」と述べ、「適切な時期」に一部株式を売却する意向を表明。デンマーク、ノルウェー政府も19日、メディアに対して、満足できる価格で売却できることを条件に、保有株放出に応じる方針を示した。

\

SASの2009年の最終損益は29億5,000万クローナ(4億1,000万ドル)の赤字。売上高は15%減の449億2,000万クローナだった。経営不振の同社をめぐっては、かねてより身売りがうわさされ、売却先として独ルフトハンザ航空の名前が取りざたされている。

\