2010/3/1

総合 –EUウオッチャー

2月のユーロ圏景況感、11カ月ぶり悪化

この記事の要約

欧州委員会が2月25日発表した同月のユーロ圏の景況感指数(ESI、標準値100)は95.9で、前月の96から0.1ポイント低下した。ESIの低下は11カ月ぶり。景気回復が力強さを欠いていることを浮き彫りにした格好で、欧州 […]

欧州委員会が2月25日発表した同月のユーロ圏の景況感指数(ESI、標準値100)は95.9で、前月の96から0.1ポイント低下した。ESIの低下は11カ月ぶり。景気回復が力強さを欠いていることを浮き彫りにした格好で、欧州委は「回復が勢いを失った」と分析している。

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ユーロ圏経済は09年7-9月期に景気後退局面を脱したが、10-12月成長率は前期比0.1%と足踏み状態にある。同日に発表された欧州委の暫定経済予測でも、2010年成長率は0.7%にとどまるとの見通しが示された。ギリシャの財政危機という不安要素もある。

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ESIを構成する5分野では、消費者の景況感が前月から1ポイント低下。また、小売業が4ポイント低下した。雇用悪化が続いていることで消費者心理が冷え込み、個人消費が低迷して景気回復の足かせとなっていることがうかがえる。製造業は1ポイント、サービス業は2ポイントの幅で上昇。建設業は横ばいだった。

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EU27カ国ベースのESIは前月を0.2ポイント上回る97.4となり、11カ月連続の上昇を保った。ただ、国によって大きなばらつきがあり、主要国ではドイツ、スペイン、英国が上昇した一方、フランス、イタリアは低下した。

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