2010/3/1

総合 –EUウオッチャー

ギリシャに最大250億ユーロ支援? 欧州委は否定

この記事の要約

欧州委員会は2月22日、ユーロ参加国が財政危機に直面するギリシャに対する最大250億ユーロの支援を検討中との報道について、「ギリシャがなんらの金融支援も要請しておらず、そのような計画はない」と否定した。ただ、水面下でドイ […]

欧州委員会は2月22日、ユーロ参加国が財政危機に直面するギリシャに対する最大250億ユーロの支援を検討中との報道について、「ギリシャがなんらの金融支援も要請しておらず、そのような計画はない」と否定した。ただ、水面下でドイツが支援策を検討しているもようだ。

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EUは2月中旬に開いた特別首脳会議で、ギリシャの財政危機問題に関して「ユーロ圏全体の金融安定を保つため、ユーロ参加国が必要に応じて断固たる協調行動をとる用意がある」とする声明を採択し、事態がさらに深刻化した場合に他のユーロ参加国が協調して金融支援に乗り出す姿勢を打ち出した。ただ、これまでのところ支援の具体策は固まっていない。

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20日付の独シュピーゲル誌が報じた金融支援計画は、独財務省がまとめたもので、ユーロ参加国が欧州中央銀行(ECB)への出資額に応じて資金を拠出し、総額200~250億ユーロを支援するという内容。欧州委の報道官は「(支援が)必要になったらEUが断固たる行動をとるのは当然」としながらも、現時点で支援は決まっていないとして報道内容を否定した。

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しかし、ドイツは国内銀行がギリシャに巨額の貸し付けをしており、デフォルト(債務不履行)になると大打撃を受けることから支援に積極的だ。議会筋が26日にブルームバーグに明らかにしたところによると、250億ユーロ規模の支援策の一環として、政府系金融機関のドイツ復興金融公庫(KfW)がギリシャ国債を購入し、ドイツ政府が保証をつけるという案が浮上しているという。ギリシャが巨額の国債償還期限を迎える4、5月に資金確保ができない場合などへの対応を念頭に置いたものとみられる。

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