欧州中央銀行(ECB)は4日の定例政策理事会で、金融危機対策で導入した非常時の金融政策を元に戻す「出口戦略」の一環として、無制限だった3カ月物資金の供給を4月28日から通常の入札方式に切り替えることを決めた。ただ、景気回復が足踏みしていることを考慮し、1カ月物、1週間物については低利の固定金利で無制限に供給する措置を少なくとも10月まで継続する。
\ECBは昨年12月に出口戦略に着手し、1年物資金供給を昨年12月に終了。6カ月物資金供給も3月末で打ち切ることを決定済みだった。理事会は金融環境が引き続き改善しつつあるとして追加措置を決めたが、予想を超える大きな変更はなく、出口戦略はわずかな前進にとどまった。
\同日の理事会では、ユーロ圏16カ国に適用される最重要政策金利を現行の年1.0%に据え置くことも決めた。景気の先行きがなお不透明なことから、利上げを見送る。金利据え置きは10カ月連続。
\ユーロ圏の2009年10-12月期の成長率は前期比0.1%にとどまった。ECBが同日公表した内部経済予測では、2010年の予想成長率は0.8%で、12月時点の予測から上方修正されなかった。トリシェ総裁は先行きについて、理事会後の記者会見で「ユーロ圏の景気は回復軌道にあるが、まだむらがある」と慎重な姿勢を崩さなかった。市場では利上げが早くても10月以降になるとの見方が出ている。
\一方、英中銀のイングランド銀行(BOE)は同日の金融政策委員会で、政策金利を現行の年0.5%に据え置くことを決めた。金利据え置きは13カ月連続。また、金融機関から国債などを買い取る量的緩和策について、現行の資金枠2,000億ポンドの維持を決め、前月に続いて拡大を見送った。
\