2010/3/8

環境・通信・その他

モバイルインターネット料金規制が発効、上限突破でサービス停止

この記事の要約

EU市場で1日、携帯電話を域内の他の国で使用する際のローミング料金に関する新たな規制が導入された。動画コンテンツなどの大量ダウンロードによって請求額が天文学的な数字に膨らむ事態を防ぐのが新ルールの狙い。携帯電話事業者は事 […]

EU市場で1日、携帯電話を域内の他の国で使用する際のローミング料金に関する新たな規制が導入された。動画コンテンツなどの大量ダウンロードによって請求額が天文学的な数字に膨らむ事態を防ぐのが新ルールの狙い。携帯電話事業者は事前にユーザーが設定した月額料金の上限(申請がない場合は月額50ユーロ)を超えた時点でサービスを停止することが義務づけられる。

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EUでは国外で携帯電話を使用する際のローミング料金が不当に高く設定されているとして、欧州委員会が2007年に料金規制に乗り出し、他のEU諸国で通話する際の料金は以前に比べて最大60%引き下げられた。さらに昨年6月には国外でショートメッセージサービス(SMS)を利用する際の料金を制限することなどを柱とする新たな規制案が採択され、7月から段階的に導入されている。携帯電話を使って国外で動画や音楽をダウンロードしたり、ウェブサイトを閲覧する際にかかるローミング料金も規制の対象となり、ホールセール段階でのローミング料金は昨年7月以降、1メガバイト当たり最大1ユーロに制限されている。

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新ルールによると、携帯電話ユーザーは7月1日までに1カ月のデータ通信料の上限を設定することができ、申請がない場合は月額50ユーロが上限に設定される。事業者は1カ月のデータ通信料が上限の80%に達した時点で警告を行い、上限を超えた場合は引き続きサービスを利用するための手続きなどを通告したうえで、ユーザーから反応がない場合はサービスを打ち切る。

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欧州委員会はあるドイツ人の旅行者がフランス滞在中に携帯電話を使ってテレビ番組を視聴したところ、1カ月の請求額が4万6,000ユーロに上ったケースなどを引き合いに出し、新ルールの導入によってこうした高額請求のトラブルが解消されると説明している。クルース副委員長(デジタルアジェンダ担当)は「新たな規制を通じ、消費者は他のEU諸国で安心してモバイルインターネットのサービスを利用することができる」と語った。

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