製薬・化学大手の独メルクは2月28日夜、米バイオテクノロジー機器大手のミリポアを買収することで合意したと発表した。ライフサイエンス事業を強化することで液晶への依存度の高い化学事業の多角化を図る狙い。買収は株主と独禁当局の承認を経て下半期にも成立する見通しという。
\メルクはミリポアを債務も含めて総額72億ドルで買収する計画。1株あたりの買い取り価格は107ドルで、前営業日（26日）の終値を13％上回る。買収額はミリポアの売り上げの4倍強、最終利益の約40倍に上る。メルクにとって2006年のセロノ買収（106億ユーロ）に次ぐ2番目の規模となる。
\ミリポアはバイオ医薬品の開発に必要なフィルターなどの製造と同時に、各種の関連サービスを手がけるソリューション型の企業で、09年の売上高は16億5,000万ドル。世界30カ国以上に進出しており、従業員数は約6,000人に上る。
\メルクは同社を買収することでライフサイエンス企業向けの売上高を約21億ユーロに拡大。売上高に占める化学事業の割合を現在の25％から35％に高める意向だ。シナジー効果は買収後3年目から年7,500万ユーロを見込む。
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