2010/3/15

欧州ビジネスウオッチ

バッテンフォール、独送電網子会社を売却

この記事の要約

スウェーデン電力大手のバッテンフォールは12日、ドイツで高圧送電網を運営する子会社「50Hertz Transmission」をベルギーの送電網事業者エリアと豪投資会社インダストリー・ファンド・マネジメント(IFM)に売 […]

スウェーデン電力大手のバッテンフォールは12日、ドイツで高圧送電網を運営する子会社「50Hertz Transmission」をベルギーの送電網事業者エリアと豪投資会社インダストリー・ファンド・マネジメント(IFM)に売却すると発表した。売却額は8億1,000万ユーロで、エリアは50Hertzの株式60%、IFMは残り40%を取得する。取引は独禁当局の承認を経て6月末までに成立する見通し。バッテンフォールは今後、収益性の高い発電事業に経営資源を集中する意向だ。

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50Hertzはドイツ東部・北部に計9,700キロメートルの高圧送電網を持っており、バルト海・北海の風力発電パークで生産される電力を内陸地域に送る上で将来的に重要な役割を果たす。このため、同社を買収した2社は取得の条件として、決定済みの送電網建設計画の履行を義務づけられた。バッテンフォールは独東部で発電所を数多く運営するほか、バルト海では洋上風力発電パークの建設も計画しており、2社に送電網の拡充を義務づけることで電力を安定供給できる体制を確保した。

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ドイツではこれまで、4大電力会社がそれぞれ高圧送電網を保有していた。だが、独当局による送電網料金の規制強化を受け利幅が狭まったため、最大手のエーオンは2月末、総延長1万700キロメートルをオランダのテンネットに8億8,500万ユーロで売却した。バッテンフォールの動きはこれに続くもの。独2位のRWEと4位のEnBWは手元に残す姿勢を示している。

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