2010/3/15

欧州ビジネスウオッチ

仏サノフィと米メルク、動物薬事業を統合

この記事の要約

製薬大手の仏サノフィ・アベンティスと米メルクは9日、動物用医薬品事業を統合すると発表した。サノフィの子会社であるメリアルとメルク傘下のインターベットを合併させ、折半出資の新会社を設立する。同社は29%のシェアを持つ世界最 […]

製薬大手の仏サノフィ・アベンティスと米メルクは9日、動物用医薬品事業を統合すると発表した。サノフィの子会社であるメリアルとメルク傘下のインターベットを合併させ、折半出資の新会社を設立する。同社は29%のシェアを持つ世界最大の動物用医薬品メーカーとなる。

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メルクは昨年までメリアルにサノフィと共同出資していたが、インターベットの親会社(当時)だった米シェリング・プラウ買収の認可を取り付けるため、独禁法に抵触する恐れがある動物医薬品事業の縮小を迫られ、保有するメリアルの株式50%をサノフィに40億ドルで売却した。この取引の際、サノフィはメルクのシェリング・プラウ買収が完了すれば、メリアルとインターベットを統合する権利を与えられていた。サノフィは急成長する動物医薬品市場での基盤強化に向け、同権利の行使を決めた。

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メリアルはペット用、インターベットは家畜用の医薬品で強みを持ち、サノフィとメルクは今回の事業統合で大きな補完効果を期待できる。ただ、統合認可にはメルクのシェリング・プラウ買収時と同様の競争上の問題を解決する必要があるとみられ、サノフィのヴィーバッハー最高経営責任者は記者会見で、統合対象の一部事業の売却を迫られるとの見通しを示した。

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