2010/3/15

欧州ビジネスウオッチ

独ダイムラー、タタから資本撤退

この記事の要約

独自動車大手の独ダイムラーは9日、インドのタタ・モータースから資本撤退したと発表した。タタとの提携を継続する意味が薄れていることや、保有するタタ株を売却し省エネ技術や電気自動車の開発費を捻出したいという意向が背景にある。 […]

独自動車大手の独ダイムラーは9日、インドのタタ・モータースから資本撤退したと発表した。タタとの提携を継続する意味が薄れていることや、保有するタタ株を売却し省エネ技術や電気自動車の開発費を捻出したいという意向が背景にある。

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ダイムラーは欧州、北米、アジアの3極からなる「世界株式会社(Welt AG)」戦略を展開したシュレンプ前社長の時代にタタに資本参加した。出資比率は5.34%で、今回、資本市場を通して複数の投資家に売却し、約2億6,500万ユーロを確保した。

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 タタはインドをはじめとする新興国で需要を掘り起こすため2008年に世界で最も安い乗用車「ナノ」を発売した。この戦略は高級車メーカーのダイムラーにとってはシナジー効果に結びつかないマイナス材料とみられている。また、タタが英高級車ブランドのジャガーとランドローバーを買収したことや、伊フィアットと提携し、同傘下の商用車メーカーイベコとエンジンやトランスミッションの共同開発に乗り出したことで、ダイムラーとの関係が冷え込んだ。

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