2010/3/29

環境・通信・その他

臓器移植の指令を6月までに承認、議長国スペインが国際会議で表明

この記事の要約

EU議長国スペインのヒメネス保健・社会政策相は23日、マドリッドで開かれた臓器提供・移植に関する国際会議で演説し、EUが6月までに臓器移植に関する指令を承認するとの見通しを示した。\ この指令は臓器移植の質と安全性に統一 […]

EU議長国スペインのヒメネス保健・社会政策相は23日、マドリッドで開かれた臓器提供・移植に関する国際会議で演説し、EUが6月までに臓器移植に関する指令を承認するとの見通しを示した。

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この指令は臓器移植の質と安全性に統一基準を設けて移植を倍増させることを目指すとともに、臓器の不正取引や移植のための海外渡航の防止を狙う。指令と併せて加盟各国間の情報交換など2015年までに実施する行動計画も策定する。これらにより臓器提供が域内でも高い国の水準に近づけば、年に2万人以上の命が助かるという。

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スペインでは昨年の臓器移植の件数が4,028件となり、18年連続で世界首位に立っている。死亡した臓器提供者の数も人口100万人当たり34.3人で、EU平均の18.1人のほぼ2倍に上る。臓器提供者の数は各国で開きが大きく、スペインに次ぐポルトガルで100万人当たり31人、ベルギーで26人に対してブルガリアは1.1人、ルーマニアはわずか0.5人しかない。

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欧州では2008年に死亡した臓器提供者が8,946人、生きている提供者が3,113人で、2万7,809件の移植が行われた。これは臓器を待つ患者の46%を満たしただけで、4,371人は臓器移植ができないまま死亡している。

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