2010/4/12

産業・貿易

化学物質規制「REACH」、認可対象追加へ

この記事の要約

欧州委員会はこのほど、EUの化学物質規制「REACH」について、2012年までに106の高懸念物質(SVHC)を新たに認可対象物質の候補リストに加える方針を明らかにした。これにより、認可対象候補は現在の29から135物質 […]

欧州委員会はこのほど、EUの化学物質規制「REACH」について、2012年までに106の高懸念物質(SVHC)を新たに認可対象物質の候補リストに加える方針を明らかにした。これにより、認可対象候補は現在の29から135物質に拡大する。欧州委は一方、高懸念物質の中で持続性が高く、体内に蓄積されるタイプの有害物質(PBT)と、極めて持続性と蓄積性が高い物質(vPvB)を特定するための新たな基準を設ける方針も打ち出した。

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REACHは07年6月に発効した使用化学物質の安全性評価から登録、認可までの全プロセスをカバーする単一の規制システム。洗剤、溶剤、繊維など幅広い製品に含まれる約3万種の化学物質が規制の対象となり、年間1トン以上を製造または輸入する事業者はそれぞれの物質について安全性を評価したうえで、欧州化学物質庁(ECHA)に各物質の使用状況などについて登録を義務づけられる。登録期限は取扱量や物質の有害性によって異なるが、2018年までにすべての物質を登録しなければならず、年間取扱量が1,000トンを超える物質と、1トン以上の発癌性.変異原性・生殖毒性物質(CMR)、さらに100トン以上の水生毒性物質の合わせて約9,000物質に関しては今年11月30日が登録期限となっている。

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発がん性物質など高い危険性が疑われる高懸念物質の特定と管理に関する新たなアプローチは、REACHの実施状況に関する欧州委の担当委員とECHA首脳による協議で合意に達した。認可対象の候補となった物質またはそれらを含有する製品を製造・販売する事業者は、川下ユーザーに安全性データシート(SDS)を提供することが義務づけられる。最終的に認可対象物質に指定された場合は用途ごとに認可を取得しなければならず、特に有害性が高い物質は制限の対象となり、使用禁止などの措置が取られる可能性がある。

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