2010/4/12

産業・貿易

フィリピン航空全社の乗入禁止、「危ない航空会社」リストの見直しで

この記事の要約

欧州委員会は3月30日、フィリピン航空、セブエアーなどフィリピンとスーダンの全航空会社に対して、EUへの乗り入れを禁止した。航空当局による航空機の監視や検査の体制に深刻な欠陥があるためという。ただし両国の航空会社は現在、 […]

欧州委員会は3月30日、フィリピン航空、セブエアーなどフィリピンとスーダンの全航空会社に対して、EUへの乗り入れを禁止した。航空当局による航空機の監視や検査の体制に深刻な欠陥があるためという。ただし両国の航空会社は現在、EU内には就航していない。EUは2006年3月から安全基準を満たしていない航空会社を「危ない航空会社」に指定して域内への乗り入れを制限しており、今回は13回目の見直しとなる。

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フィリピンについては、昨年11月に国際民間航空機関(ICAO)と米連邦航空局(FAA)が安全上の懸念を指摘していたことが決め手となった。今回の決定について同国の民間航空当局は「すでに大幅に改善している」として、安全性では世界の基準を満たしていると主張している。欧州委も改善に向けた努力を認めており、フィリピン当局を支援するとともに同国を訪問する用意があるとの考えを示した。

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一方、2006年3月から乗り入れを禁止されていた北朝鮮の高麗航空は、国際基準を満たす2機の機体に限って禁止を解除した。またTAAGアンゴラ航空も安全対策で進展があったことを認め、一部の機体について現在運航しているリスボンだけでなく域内の全都市に就航できるようになった。逆にイラン航空は、域内空港での検査により深刻な事故の証拠や航空当局の不十分な監督が明らかになったため、運航を一部の機体に制限することを決めた。欧州委は4月にイラン航空当局の監督状況を確かめるため同国を訪問する予定だ。

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このほかアリアナ・アフガニスタン航空、カンボジアのシェムリアップ航空、ルワンダのシルバーパック・カーゴの3社も乗り入れを全面的に禁止された。今回の見直しにより全社の運航を禁止されている国は17カ国となり、対象となる航空会社は合わせて278社に上る。また運航を制限されている航空会社は10社となった。

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