2010/4/26

総合 –EUウオッチャー

欧州の空が正常化、航空会社支援が焦点に

この記事の要約

アイスランドの火山噴火の影響で続いていた欧州の空の混乱はとりあえず終息し、22日にほぼ正常化した。ただ、1週間以上に及ぶ飛行制限による欠航で航空会社は大きな損失を被っており、その影響は尾を引きそうだ。\ EUは19日、加 […]

アイスランドの火山噴火の影響で続いていた欧州の空の混乱はとりあえず終息し、22日にほぼ正常化した。ただ、1週間以上に及ぶ飛行制限による欠航で航空会社は大きな損失を被っており、その影響は尾を引きそうだ。

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EUは19日、加盟国の運輸相による緊急テレビ会議を開き、飛行制限を緩和することで合意。これを受けて20日からロンドン、パリ、フランクフルトなど欧州の主要空港が運航を再開した。欧州の航空管制を統括するユーロコントロールによると、23日にはなお噴煙の影響が残るアイスランド、スコットランドの一部を除く空域で飛行制限が解除された。

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今回の飛行制限では計10万便以上が欠航し、欧州の空は第2次大戦後で最悪の混乱に陥った。国際航空運送協会(IATA)が21日明らかにしたところによると、航空業界が被った損害は、2001年9月11日の米同時多発テロ時を上回る17億ドルに達したという。リーマンショックに端を発した景気悪化で業績が落ち込んでいる航空会社にとっては大きな打撃で、IATAのジョバンニ・ビジニャーニ事務局長は欧州で5社以上の中小航空会社が破たんに追い込まれる恐れがあると指摘。飛行制限は行き過ぎで必要なかったと批判する欧州内の航空会社からは、被った損害を緊急公的支援で補償するよう求める声が噴出している。

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EUでは民間企業に対する公的支援が厳しく制限されているが、欧州委員会のカラス委員(運輸担当)は19日、今回の事態は「例外的状況」として、9・11テロの際に導入した緊急支援の枠組みを適用し、航空会社に金融支援を実施することを検討する方針を打ち出した。

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