2010/5/3

総合 –EUウオッチャー

EU各機関は透明性が欠如、オンブズマンが指摘

この記事の要約

EUの行政監査官である欧州オンブズマンは4月29日、昨年1年間に市民や企業、非政府組織などから寄せられた苦情が3,098件に上ったことを明らかにした。このうち36%は文書や情報の公開拒否など透明性の欠如によるもので、EU […]

EUの行政監査官である欧州オンブズマンは4月29日、昨年1年間に市民や企業、非政府組織などから寄せられた苦情が3,098件に上ったことを明らかにした。このうち36%は文書や情報の公開拒否など透明性の欠如によるもので、EU各機関に対して透明性の向上を促している。

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このほか苦情にはEUのプロジェクトに対する支払い遅延、不公正、職権乱用、差別などに関するものもあった。昨年の件数は2008年の3,406件から減っているが、これはウェブサイト上のガイドを利用することにより最初の段階で適切な対応ができるようになってきたためという。

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寄せられた苦情の約80%については調査着手や関係機関への転送、助言などオンブズマンが支援を提供し、全体の56%については関係機関による友好的な対応策の実施など解決がみられた。一方、オンブズマンが各機関に対する批判的な見解を明示した件数は35件で、2008年の44件から減っている。

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苦情の対象となった機関では欧州委員会が最も多く全体の56%を占め、これに欧州議会、欧州人事選考局、欧州理事会、欧州司法裁判所が続く。国別で最も多かったのはドイツで413件に上り、以下スペインが389件、ポーランドとフランスがそれぞれ235件となっている。人口規模による割合でみるとルクセンブルク、マルタ、キプロス、ベルギーの順で多かった。

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