2010/5/3

産業・貿易

ユーロ圏の企業・個人で資金需要減退=ECB最新調査

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)が4月28日公表したユーロ圏の貸出動向に関する最新調査で、2010年第1四半期(1~3月)に法人と個人の両方で資金需要が減退していることが分かった。また貸出基準については法人・個人向けの両方で厳しく […]

欧州中央銀行(ECB)が4月28日公表したユーロ圏の貸出動向に関する最新調査で、2010年第1四半期(1~3月)に法人と個人の両方で資金需要が減退していることが分かった。また貸出基準については法人・個人向けの両方で厳しくしている銀行が多く、特に住宅ローンでの厳格化が目立っている。

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この調査はユーロ圏の銀行を対象に四半期ごとに実施しているもので、今回は119行を対象に3月15日から4月1日にかけて実施した。これによると、企業向けの資金需要が減ったと回答した銀行は、増えたとする銀行を13%上回り、その差は昨年第4四半期の8%から拡大した。また個人向けの住宅ローンでは、昨年第4四半期は需要が増えたという銀行が16%上回っていたが、今回は減ったという銀行が2%多く、需要が大幅に減退したことがうかがえる。

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企業の資金需要の縮小は設備投資や買収・合併(M&A)の減少、資金調達の社債への転換などが要因という。住宅ローンの減少については、住宅市場の見通しや消費者の景況感の低迷によるものと説明している。

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一方、企業への貸出基準を厳しくした銀行は緩めた銀行を3%上回って昨年第4四半期とほぼ同じで、今年第2四半期についても厳しくするとの見通しを示した銀行が2%上回っている。個人向けの融資基準は住宅ローンで厳格化した銀行が10%上回り昨年第4四半期の3%から大きく増えている。消費者信用では厳しくした銀行が11%多く、前の3カ月の10%からほぼ横ばいとなった。

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