2010/5/10

産業・貿易

共通漁業政策改革、来年末までの完了目指す

この記事の要約

EU加盟国は4、5日に非公式漁業担当相会合を開き、域内の共通漁業政策の改革について協議した。共通漁業政策は10年ごとに見直されており、欧州委員会のダマナキ委員(漁業・海事担当)は来年末までに改革をまとめる方針を示したが、 […]

EU加盟国は4、5日に非公式漁業担当相会合を開き、域内の共通漁業政策の改革について協議した。共通漁業政策は10年ごとに見直されており、欧州委員会のダマナキ委員(漁業・海事担当)は来年末までに改革をまとめる方針を示したが、乱獲や漁船の過剰な隻数により政策は転換期にあるという。

\

議長国スペインのエスピノサ農業・海事相によれば、捕獲した死魚の取り扱い方法を定める必要性や地域の漁業管理機関の役割強化などで各国は合意したという。また小規模漁業を分けて特別措置を設けることで意見がまとまったものの、小規模と大規模の定義について統一基準を決めることにはフランスなどから反対意見があり先送りとなった。

\

ダマナキ委員は、漁獲枠のEUレベルでの移転についても話し合われたことを明らかにしている。これは漁業業者に割り当てられた漁業枠を別の漁業業者が買い取ることを認める制度で、スペインが提唱しているが、国内ではこれを認めているデンマークやオランダ、エストニアを含めて大多数の加盟国がEUレベルでの移転には反対している。一部の有力な漁業業者が漁業枠を独占する懸念があるためで、ダマナキ委員も「各国レベルでの乱獲への対応策として適切な手段となる可能性がある」としながらも、一部業者に集中することを防ぐ措置が必要との考えを示している。

\