2010/6/14

産業・貿易

欧州委が預金保証の固定を検討、10万ユーロに統一か

この記事の要約

銀行が破たんした場合の個人預金の保証をめぐり、欧州委員会が保証額を10万ユーロに統一することを検討しているもようだ。AFP通信が16日、独自に入手した欧州委の内部文書をもとに報じた。\ EUの預金保護に関する現行ルールで […]

銀行が破たんした場合の個人預金の保証をめぐり、欧州委員会が保証額を10万ユーロに統一することを検討しているもようだ。AFP通信が16日、独自に入手した欧州委の内部文書をもとに報じた。

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EUの預金保護に関する現行ルールでは、域内共通の最低保証額だけが定められており、加盟国はこれを上回る水準に設定できる。このため国によって大きな開きがある。これについて欧州委は、保証額がばらばらだと高い国に預金が集中し、競争上の問題が生じると懸念。保証額に幅が出ないよう固定する方向で検討しているという。

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EUはリーマンショックに端を発した金融危機に見舞われた2008年、預金者の不安を軽減するため最低保証額の引き上げを決定。保証額は2009年に従来の2万ユーロから5万ユーロに引き上げられた。さらに2011年末から10万ユーロに引き上げられる予定となっており、欧州委は同水準で固定したい考えだ。ただ、デンマーク、スロバキアなど一部の国では現在の最低保証額が10万ユーロを大きく上回っており、預金者保護が大きく低下することになってしまう。このため、ルール改正の調整は難航が予想される。

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