2010/6/21

競争法

ラファルジェへのカルテル制裁は「妥当」=欧州司法裁

この記事の要約

欧州司法裁判所は17日、仏大手建材メーカーのラファルジェがプラスターボードの価格カルテルにより欧州委員会から命じられた制裁の金額を不服として提訴していた問題で、欧州委の判断を支持する判決を下した。これにより同社の制裁金は […]

欧州司法裁判所は17日、仏大手建材メーカーのラファルジェがプラスターボードの価格カルテルにより欧州委員会から命じられた制裁の金額を不服として提訴していた問題で、欧州委の判断を支持する判決を下した。これにより同社の制裁金は2億4,960万ユーロに確定した。

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欧州委員会は2002年、欧州内の大手建材メーカー4社が壁や天井の下地として使用するプラスターボードの販売で1998年まで4年以上にわたり価格カルテルを結んでいたとして、4社に総額4億7,800万ユーロの制裁金支払いを命じた。特にラファルジェと英BPBは1994年にもカルテルで制裁対象となったため、ラファルジェの制裁金は50%増額された。

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これに対してラファルジェは、欧州司法裁判所の第一審裁判所(現・一般裁判所)に減額を求める訴えを起こしたものの、同裁判所が2008年にこれを退けたため欧州司法裁判所に控訴していた。欧州司法裁判所は今回、欧州委には制裁金の算定で度重なる違反に配慮する法的根拠があるとして、「増額は、同じ企業が繰り返し競争ルールに抵触することを罰する目的にかなうもの」との判断を下した。

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判決に対してラファルジェの広報担当者は、すでに制裁金を支払ったことを明らかにするとともに「当社は競争ルールを順守するプログラムを取り入れている」と説明している。

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第一審裁は2008年の判決で、BPBについては制裁金を当初の1億3,860万ユーロから1億1,880万ユーロに減らすことを認めていた。なお、欧州司法裁は7月1日に4社のうち独クナーフの訴えについて判決を言い渡す予定だ。

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