2010/7/12

産業・貿易

欧州議会が銀行賞与規制案を可決、来年1月から実施へ

この記事の要約

欧州議会は7日の本会議で、銀行員のボーナス(賞与)を大幅に抑制する法案を賛成多数で可決した。EU加盟国は法案の内容で合意しており、近く開く予定の財務相理事会で正式に承認される見通し。2011年1月から幹部行員らに支払われ […]

欧州議会は7日の本会議で、銀行員のボーナス(賞与)を大幅に抑制する法案を賛成多数で可決した。EU加盟国は法案の内容で合意しており、近く開く予定の財務相理事会で正式に承認される見通し。2011年1月から幹部行員らに支払われる賞与のうち、現金支給の割合に上限を設けることなどを盛り込んだ厳しい規制が導入される。

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法案によると、EU内で活動する銀行(域外に本拠を置く銀行や、海外にある域内銀行の子会社を含む)は、月給を基に幹部行員やトレーダーなどに支払う賞与の上限を設定することが義務付けられる。賞与のうち現金による支給は最大30%に制限され、特に高額な場合は20%が上限となる。「特に高額」な賞与の具体的な基準は各国政府に判断が委ねられる。

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一方、賞与全体の40-60%について3-5年間支払いを留保し、この間に業績が悪化した場合は賞与を回収できる仕組みが導入される。さらに賞与の一部を将来の損失に備えた分担金(contingent capital)と位置づけ、全体のうち少なくとも50%を自社株やその他の有価証券の形で支給することが義務付けられる。さらに公的資金による救済支援を受けた銀行に対しては、より厳しい規制が適用される。

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欧州委員会のバルニエ委員(域内市場・サービス担当)は「銀行は過剰なリスク行動を助長し、金融危機の一因となった短期の業績に連動した高額報酬制度を直ちに改める必要がある」と強調。銀行以外の金融セクターについても状況をみながら賞与規制の導入を検討する意向を示唆した。

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