2010/7/12

産業・貿易

ストレステストは91行対象に、審査結果は23日に公表

この記事の要約

欧州銀行監督委員会(CEBS)は7日、EU域内の銀行に対するストレステスト(健全性審査)について、91行を対象とすることを明らかにし、具体名を公表した。景気の失速や保有国債の価値下落などの打撃に各行が耐えられるかを審査す […]

欧州銀行監督委員会(CEBS)は7日、EU域内の銀行に対するストレステスト(健全性審査)について、91行を対象とすることを明らかにし、具体名を公表した。景気の失速や保有国債の価値下落などの打撃に各行が耐えられるかを審査するもので、当初の25行から対象を拡大した。審査結果は23日に公表される予定だ。

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20カ国の91行の資産を合わせるとEUの銀行部門の総資産額の65%を占める。当初予定していた国際的な大手銀行だけではなく、市場で経営不安に対する懸念が強いドイツの州立銀行やスペインの貯蓄銀行など中堅銀行にも対象を広げた。国別ではスペインが27行、ドイツが14行のほか、英国とフランスがそれぞれ4行、イタリアが5行、ギリシャが6行などとなっている。

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審査では、GDPの成長率は欧州委員会の向こう2年間の予想を3%下回ると想定し、ソブリンリスクでは今年5月初めに起きた状況を基にしている。ちなみに欧州委はEUの経済成長を今年は1%、来年は1.7%と予想している。

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投資家にとっては各行が保有する国債の残高が懸念材料で、国際の担保価値の算定が重要となっている。国債の担保価値の算定では、時価からの割引率となる「ヘアカット(担保掛け目)」がギリシャ国債で17%程度、ポルトガル国債で8%、スペイン国債で5%と見られており、ドイツ国債についてはヘアカットを適用しないもようだ。

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