2010/7/12

競争法

ポルトガル政府の黄金株行使は違法=欧州裁判断

この記事の要約

欧州司法裁判所は8日、ブラジルの携帯電話サービス最大手ヴィーヴォの買収をめぐるスペイン通信最大手テレフォニカとポルトガルテレコム(PT)の攻防戦で、PT株主であるポルトガル政府が「ゴールデン・シェア(黄金株)」を行使して […]

欧州司法裁判所は8日、ブラジルの携帯電話サービス最大手ヴィーヴォの買収をめぐるスペイン通信最大手テレフォニカとポルトガルテレコム(PT)の攻防戦で、PT株主であるポルトガル政府が「ゴールデン・シェア(黄金株)」を行使してテレフォニカによるヴィーヴォ買収を阻止したのはEU法に違反するとの裁定を下した。これによりテレフォニカのヴィーヴォ買収が現実味を帯びてきた。

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テレフォニカとPTは、ヴィーヴォの株式60%を保有する持ち株会社ブラジルセルに折半出資している。テレフォニカは5月、ブラジルセルに対するPTの株式持ち分を57億ユーロで取得し、ヴィーヴォを傘下に収めることを提案した。これをPT側は当初拒否したが、テレフォニカが最終的に買収額を71億5,000万ユーロまで増額。PTが6月30日に開いた臨時株主総会で、株主全体の74%が買収受け入れを支持した。ところがポルトガル政府が黄金株を行使して拒否権を発動したため、テレフォニカは不当な政府介入として欧州裁に提訴していた。

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これについて欧州裁は、政府の黄金株行使は不当な買収防衛措置で、EU内の資本の自由な移動を定めるルールに違反するとして、テレフォニカの主張を全面的に認めた。

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