2010/7/12

競争法

ライアンエアーの買収計画阻止は「妥当」=欧州裁判所

この記事の要約

欧州司法裁判所の一般裁判所は6日、欧州最大の格安航空会社であるアイルランドのライアンエアーが同国の旧国営航空会社エア・リンガスを買収する計画を阻止した欧州委員会の判断を妥当とする判決を下した。\ ライアンエアーは2006 […]

欧州司法裁判所の一般裁判所は6日、欧州最大の格安航空会社であるアイルランドのライアンエアーが同国の旧国営航空会社エア・リンガスを買収する計画を阻止した欧州委員会の判断を妥当とする判決を下した。

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ライアンエアーは2006年、エア・リンガスを総額14億8,000万ユーロで買収することを計画した。これについて欧州委は、ダブリン空港発着便の大部分を運航する両社の統合には競争上の問題があり、買収によってライアンエアーの独占状態となり、消費者の選択が狭まるとともに航空運賃の値上げを招く恐れがあると判断。07年に買収を認可しない決定を下したが、ライアンエアー側は不服として欧州司法裁に提訴していた。

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欧州裁は判決文で、ライアンエアーが買収によりダブリン発着便を独占するのは明白で、欧州委の決定は正当化できると指摘。ライアンエアーの訴えを退けた。

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一方、エア・リンガスがライアンエアーの持つエア・リンガス株を譲渡するよう求めていた訴訟については、エア・リンガスの敗訴となった。ライアンエアーは買収を仕掛けた際、発行済み株式の約30%を取得。これに関してエア・リンガス側は、買収を試みたライアンエアーが株主としてとどまることで、ライバルである同社の経営に不当な介入を行う恐れがあるとして、持ち株売却に応じないライアンエアーに売却を強制する権限を欧州委員会に与えるよう求め提訴していた。

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しかし欧州裁は、ライアンエアーによる株式保有はエア・リンガス支配とは無関係として、訴えを退けた。

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今回の判決についてライアンエアーのオレリー最高経営責任者は、「将来にエア・リンガスへ(新たな)買収を提案することを阻止するものではないが、現時点で買収提案の計画はない」とコメントした。

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