2010/7/26

総合 –EUウオッチャー

ルーマニア・ブルガリアの司法改革など「不十分」、今後もEUの監視下に

この記事の要約

欧州委員会は20日、ルーマニアとブルガリアによる司法改革、汚職対策などの進展状況を検証する年次報告書を発表した。両国とも一定の進歩は認められたものの、なお改革は不十分とされ、今後もEUの監視下に置かれることになった。\ […]

欧州委員会は20日、ルーマニアとブルガリアによる司法改革、汚職対策などの進展状況を検証する年次報告書を発表した。両国とも一定の進歩は認められたものの、なお改革は不十分とされ、今後もEUの監視下に置かれることになった。

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ルーマニアとブルガリアは2007年1月にEU加盟を果たした。しかし、司法制度改革、汚職・組織犯罪対策などで加盟基準を満たしていなかったため、加盟後もEUが改革の進展状況を監視する特別措置の適用が決定。取り組みが不十分と判断された場合は、補助金の支給停止を含む制裁措置を発動される。これに基づきブルガリアは2008年、汚職・組織犯罪対策が進んでいないとして、約5億ユーロの補助金支給が凍結されたことがある。

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欧州委は昨年の年次報告書で、ブルガリアについては地方自治体の汚職対策強化、犯罪者の資産凍結を容易にするための法改正など21項目、ルーマニアには政府高官が関与した犯罪の捜査の迅速化など16項目を課題として挙げ、取り組みを強化するよう勧告。今回の報告書で、それらの進展状況を検証した。

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ブルガリアについては、高官の汚職、組織犯罪で起訴に持ち込む件数が増えたことなどに言及し、「重要な成果をあげた」と評価。今後の課題として、起訴したものの裁判で有罪となるケースが極めて少ないことなどを挙げた。

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一方、ルーマニアに対しては、汚職取り締まり機関の権限を弱める法改正が先ごろ行われたことを強く批判。「改革の機運が後退した」と厳しい評価を下した。

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