2010/8/2

総合 –EUウオッチャー

英首相がトルコのEU加盟を支持、反対派の独仏をけん制

この記事の要約

英国のキャメロン首相は7月27日、訪問先のトルコで同国のEU加盟に対する強い支持を表明し、トルコ加盟に難色を示す国々を批判した。イスラム教国であるトルコの加盟に強い拒否反応を示すドイツ、フランスをけん制した格好だ。\ ト […]

英国のキャメロン首相は7月27日、訪問先のトルコで同国のEU加盟に対する強い支持を表明し、トルコ加盟に難色を示す国々を批判した。イスラム教国であるトルコの加盟に強い拒否反応を示すドイツ、フランスをけん制した格好だ。

\

トルコは2005年に開始したEU加盟交渉が難航しており、同時期に始まったクロアチアの加盟交渉が最終段階を迎えているのに対して、交渉完了の目途は立っていない。南北キプロス分断問題が障害となっているほか、主要国の独仏がトルコ加盟に反対し、準加盟国的な扱いにとどめるべきと主張していることも影響している。

\

キャメロン首相はアンカラでビジネス関係者を前に行った講演で、加盟交渉が進んでいないことについて、「トルコが北大西洋条約機構(NATO)の一員として欧州防衛に貢献し、アフガニスタンで欧州の仲間と足並みをそろえていっていることを考えると、加盟交渉が停滞していることに怒りを感じる」と発言。「トルコはキャンプを守るだけでテントに入ってはいけないと言っているようなものだ」とEUの対応を痛烈に批判した。

\

さらに同首相は、イスラム圏の国の加盟に反対する国を「“文明の衝突”というプリズムで世界史をとらえている」として、名指しは避けながらも独仏を批判した。

\