2010/8/9

競争法

オリンピックとエーゲ航空の合併、本格調査に着手

この記事の要約

欧州委員会はこのほど、ギリシャのエーゲ航空とオリンピック航空の合併計画について本格調査に着手した。初期調査の結果、国内線の全路線や多くの国際線で市場シェアが極めて高くなり競争を阻害する恐れがあるため。12月7日までに結論 […]

欧州委員会はこのほど、ギリシャのエーゲ航空とオリンピック航空の合併計画について本格調査に着手した。初期調査の結果、国内線の全路線や多くの国際線で市場シェアが極めて高くなり競争を阻害する恐れがあるため。12月7日までに結論を下す予定だが、両社は何らかの譲歩を迫られる可能性がある。

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エーゲ航空にはバシラキス・グループとラスカリディス・グループが出資し、オリンピック航空はマーフィン・インベストメント・グループの傘下にある。バシラキスは航空のほか自動車のレンタルやリース、輸入などを手がけ、ラスカリディスは海運や観光業、不動産業なども展開している。マーフィンはオリンピック航空の関係各社を通じて航空輸送のほか地上取扱業務や航空機のメンテナンス・修繕サービスを手がけるほか、食品・飲料、海運、医療、不動産、IT・通信、観光業、金融サービス業などにも事業を拡大している。

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バシラキスとラスカリディス、マーフィンの3社は6月にギリシャの財政危機や航空業界の競争激化に対応するため、傘下のエーゲ航空とオリンピック航空を統合することで合意していた。

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欧州委の初期調査では、市場シェアが高まるだけでなく国内線の多くの路線で独占状態になることがわかった。また、公共サービス義務制度に基づいて社会的な必要性があるものの採算が取れない場合に公的支援によって運航される路線において、入札に際して大手2社が統合することの弊害が浮上しているうえ、地上取扱業務でも国内各地の空港で垂直関係の懸念が出ている。

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