2010/8/23

総合 –EUウオッチャー

ユーロ圏の4-6月期成長率は1%、独牽引で4年ぶり高水準

この記事の要約

EU統計局ユーロスタットが13日発表した2010年4-6月期のユーロ圏16カ国の域内総生産(GDP、実質ベースの速報値)は前期比1%増となり、伸び率は1-3月期の0.2%から大きく拡大した。ユーロ安、世界経済の回復を追い […]

EU統計局ユーロスタットが13日発表した2010年4-6月期のユーロ圏16カ国の域内総生産(GDP、実質ベースの速報値)は前期比1%増となり、伸び率は1-3月期の0.2%から大きく拡大した。ユーロ安、世界経済の回復を追い風に多くの国で輸出が好調で、成長率は4年ぶりの高水準まで回復した。とくにドイツが大幅に伸び、全体を牽引した。(表参照)

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前年同期比の伸び率は1.7%で、前の期の0.6%から拡大。EU27カ国ベースのGDPもユーロ圏と同じ前期比1%増、前年同期比1.7%増となり、前期を大きく上回った。

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今回のGDP速報値はEU18カ国のデータに基づいてはじき出された。域内最大の経済国であるドイツは好調な輸出に支えられて前期比2.2%増と、前の期の0.5%増を大幅に上回り、1990年の東西ドイツ統一後で最大の成長となった。このほか、リトアニアがドイツを上回る2.9%の成長を記録。主要国ではフランス、イタリア、英国がプラス成長となった。一方、深刻な財政危機に直面するギリシャは前期比1.5%減で、唯一マイナス成長となった。

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ユーロ圏の同期の成長率は市場予想の0.7%を大きく超え、米国の0.6%を上回った。ただ、多くの国が財政再建に向けて緊縮政策を採らざるを得ず、その影響が今後の成長を圧迫するのは必至で、景気回復は4-6月期がピークとの見方が多い。

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