2010/8/23

総合 –EUウオッチャー

スロバキア、ギリシャ向け融資への拠出拒否

この記事の要約

スロバキア議会は11日、財政危機に直面するギリシャにユーロ圏各国とIMFが今後3年間で総額1,100億ユーロの緊急融資を行う制度への参加を否決した。これによりユーロ圏の足並みが乱れることとなったが、ギリシャ向け融資の第1 […]

スロバキア議会は11日、財政危機に直面するギリシャにユーロ圏各国とIMFが今後3年間で総額1,100億ユーロの緊急融資を行う制度への参加を否決した。これによりユーロ圏の足並みが乱れることとなったが、ギリシャ向け融資の第1弾は実行済みで、スロバキアの拠出額は8億1,600万ユーロと少ないことから、同融資制度の運営に支障はないとみられる。

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ユーロ圏16カ国が5月に決定したギリシャ向け緊急融資では、800億ユーロをユーロ圏、残りをIMFが負担する。当時のスロバキア政府は同制度への拠出を承認していたが、6月の総選挙で政権が交代。中道右派の新政権は、ギリシャより貧しいスロバキアが、同国の放漫財政の尻拭いをさせられるのはおかしいとして反発していた。議会の採決では69票対1票の大差で拠出が否決された。

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スロバキアの不参加が融資続行に大きな問題とはならないものの、EUは約束違反として遺憾の意を表明しており、欧州委員会のアルムニア委員(経済通貨問題担当)は次回のユーロ圏財務相理事会で同問題への対応を協議する意向を示している。

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