2010/8/30

総合 –EUウオッチャー

自国のEU加盟「良いこと」、EU市民の49%に低下

この記事の要約

欧州委員会が26日に公表した世論調査「ユーロバロメーター」の最新結果で、EU市民のうち自国がEUに加盟していることを「良いこと」と答えた人は49%にとどまり、過去6年で最低に落ち込んだことが明らかになった。調査時期は今年 […]

欧州委員会が26日に公表した世論調査「ユーロバロメーター」の最新結果で、EU市民のうち自国がEUに加盟していることを「良いこと」と答えた人は49%にとどまり、過去6年で最低に落ち込んだことが明らかになった。調査時期は今年の5月で、財政危機のギリシャに対する支援で揺れていた時期と重なったことが、EUやユーロに対する信頼感の低下につながったようだ。

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この調査は、27カ国の2万6,641人を対象に5月5~28日にかけて面談によって実施したもの。EU加盟についての支持は2009年秋の調査に比べると4ポイント低下した。ただ、EUの諸機関への信頼は42%で、自国政府に対する29%や自国議会への31%を上回っている。EU諸機関への信頼が最も高かったのはエストニアの68%で、次がスロバキアの65%。逆に最も低かったのは英国で20%だった。

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経済・金融政策については、加盟国間の経済・金融政策の調整を強化することが経済危機の対応に効果的と考える人は75%に達し、国際的な大手金融グループの活動に対してEUの監視を強めることを支持する人も72%に上った。金融機関の監視強化への支持は2009年秋の調査に比べて4ポイント上昇している。

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経済についてEU市民が懸念している点は雇用が48%、現在の経済状況が40%、物価上昇が20%だった。また74%は将来に向けて自国の改革が必要と考え、71%は福祉改革を覚悟している。財政赤字の削減については74%が赤字と債務の削減を緊急課題としているものの、一方で財政赤字になっても経済を活性化することを支持する意見も46%に上っている。ただしユーロ圏の16カ国に限ると、財政出動による経済活性化に対する反対が42%で賛成の41%を上回った。

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