2010/8/30

環境・通信・その他

サバの漁獲枠めぐり対立、EUがアイスランドの乱獲を非難

この記事の要約

EUとアイスランドの間でサバの漁獲規制をめぐって対立が起きている。欧州委員会が25日にアイスランドおよびフェロー諸島によるサバの乱獲を非難したのに対して、アイスランドのビャルナソン漁業相は26日、現地メディアに対してEU […]

EUとアイスランドの間でサバの漁獲規制をめぐって対立が起きている。欧州委員会が25日にアイスランドおよびフェロー諸島によるサバの乱獲を非難したのに対して、アイスランドのビャルナソン漁業相は26日、現地メディアに対してEU側の主張を「非常識」と反論した。

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欧州委の報道官は、「科学的証拠からは認められない乱獲を行っている」として、強い懸念を表明した。アイスランドはサバの漁獲枠を例年の2,000トンから今年は13万トンに引き上げており、フェロー諸島もEUとノルウェーが1999年~2009年に取り決めた漁獲枠の3倍以上に当たる8万5,000トンの漁獲枠を設定しているという。同スポークスマンは、9月にアイスランドおよびフェロー諸島とサバ漁について協議する方針を明らかにしている。

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これに対してビャルナソン漁業相は、「国際法によればアイスランドは領海内での漁業が認められており、EUがこうした脅迫をするのは非常識」と応酬。フェロー諸島のヴェステルガード漁業相もAFP通信に対して、「乱獲はしていない。フェロー諸島の海域にサバはいくらでもいる」と主張している。ただ、ビャルナソン漁業相は「EUとノルウェーによる漁獲割り当ては受け入れられない」としながらも、新たな協定の締結を試みることには前向きな姿勢を示した。

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スコットランドやノルウェーの漁業関係者はアイスランドの乱獲に対して怒りをあらわにし、今回の紛争を「サバ戦争」と称しており、欧州議会のスコットランド出身の議員はアイスランドとフェロー諸島の船舶および物品に対するEU全域での封鎖を呼びかけている。

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