2010/9/13

総合 –EUウオッチャー

セルビアがコソボ問題で譲歩、国連への決議案を修正

この記事の要約

セルビアとEUは9日、国連総会にコソボ独立問題に関する共同決議案を提出し、採択された。国際司法裁判所(ICJ)がコソボの独立宣言は違法ではないとする判断を下したことを不服とするセルビアは、7月末にコソボ独立を強く非難する […]

セルビアとEUは9日、国連総会にコソボ独立問題に関する共同決議案を提出し、採択された。国際司法裁判所(ICJ)がコソボの独立宣言は違法ではないとする判断を下したことを不服とするセルビアは、7月末にコソボ独立を強く非難する決議案を単独で提出していたが、EUの圧力を受けて譲歩し、決議案の修正に応じた。

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セルビアが当初提出した決議案では、2008年2月のコソボ独立宣言を「一方的な分離で受け入れられない」と強い調子で批判していた。しかし、コソボ地位問題を国連の場で持ち出そうとするセルビアに対して、同国が加盟を目指すEUが介入。タディッチ大統領とEUのアシュトン外交安全保障上級代表(EU外相)が7日に会談し、同文言を削除した共同決議案を提出することで合意。同決議案ではコソボ地位問題に関する言及はなく、同問題をEUによる仲介のもとでセルビアとコソボの対話を通じて解決することを目指す方針を打ち出した。

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セルビアはEU加盟を目指しており、昨年末に加盟を申請した。同国政府にとっては、27カ国のうち22カ国がコソボ独立を承認しているEUと、同問題で対立すると加盟が遅れるという事情がある。政府は「コソボ独立を認めたわけではない」としているが、EU早期加盟を視野に譲歩した格好だ。

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