2010/9/13

環境・通信・その他

EUの温暖化ガス排出量、09年は7%減

この記事の要約

欧州環境庁(EEA)が10日発表した2009年のEUの温暖化ガス排出量統計によると、加盟27カ国の排出量(暫定値)は前年比7%減となり、1990年に統計を発表し始めて以来、前年比では最大の削減幅を記録した。1990年の排 […]

欧州環境庁(EEA)が10日発表した2009年のEUの温暖化ガス排出量統計によると、加盟27カ国の排出量(暫定値)は前年比7%減となり、1990年に統計を発表し始めて以来、前年比では最大の削減幅を記録した。1990年の排出量を約17.3%下回っており、2020年までにEU全体の排出量を90年比で20%削減するとした目標の達成が視野に入ってきた。EUは今後、世界各国の状況次第では目標を引き上げ、30%とする意向を表明している。

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2004年のEU拡大前に加盟していた15カ国の09年の排出量も、27カ国全体と同水準の減少を記録した。90年と比べると約12.9%減っており、京都議定書で求められた2008―12年に15カ国ベースで8%削減するという目標も、達成が可能な見通しだ。

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09年に温暖化ガス排出量が減少した最大の原因は、景気の後退とみられる。とくに、石炭の使用量が前年より12.7%減少したことの影響が大きいもよう。化石燃料(石炭、石油、天然ガス)の消費量は同年、前年比で5.5%減少した。また、再生可能エネルギーの利用が同8.3%増(バイオマスを除く)と大幅に伸びたことも、排出量減少の大きな要因と指摘されている。

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なお、09年の排出量に関する公式統計は、2011年6月に発表される予定だ。 

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