2010/9/20

環境・通信・その他

興業チケット販売サイトの6割に違法の疑い、航空券・家電に続き欧州委がメス

この記事の要約

欧州委員会は16日、EU各国で運営されているコンサートやスポーツイベントなどのチケット販売サイトのうち、半数以上が消費者保護ルールに違反している可能性があるとの調査結果を公表した。各国の消費者保護当局は問題があるとされた […]

欧州委員会は16日、EU各国で運営されているコンサートやスポーツイベントなどのチケット販売サイトのうち、半数以上が消費者保護ルールに違反している可能性があるとの調査結果を公表した。各国の消費者保護当局は問題があるとされたサイトについてさらに詳しい調査を行い、不正な商慣行が確認された場合はサイト運営者に速やかな改善を求めて順守状況を監視する。欧州委は2011年半ばをめどに最終的な調査結果をまとめ、必要な施策を打ち出すものとみられる。

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欧州委は電子商取引の拡大に伴うトラブルの増加に対応するため、これまでに航空券の予約・販売サイトと家電製品の販売サイトについて「スイープ(sweep)」と呼ばれる一斉調査を行い、航空券に関しては誇大広告を規制する新たなルールが導入された。第3弾となる今回は、今年5月末から6月初めにかけてEU27カ国とノルウェーおよびアイスランドで、各種スポーツイベントとコンサートや演劇など文化的イベントのチケットを販売する計414のサイトを対象に実施。このうち167のサイトでは特に問題がみられなかったが、60%に当たる247のサイトは消費者保護ルールに違反している可能性が高いとみなされた。

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問題となったサイトで最も多くみられたのは、税金や手数料を明示しないといった料金表示に関するもので、74%でこうした問題が確認された。次に多かったのはチケットが届かなかった場合の補償や、イベントが中止になった場合の払い戻しなど取引条件に関するもので、73%のサイトがこれに該当した。また、特定の団体やイベントの公認代理店を名乗るなど、サイト運営者に関する情報に問題があったサイトも48%に上った。さらにスウェーデン、スペイン、ベルギーでは実際には存在しない架空イベントのチケットを販売する悪質なケースも発見された。

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一方、家電製品(デジタルカメラ、携帯電話機、音楽プレーヤーなど6品目)の販売サイトを対象とする2回目の調査では、369のサイトのうち84%にあたる310サイトは「問題なし」とされた。昨年5月の第1回調査(スロバキアを除くEU26カ国とノルウェー、アイスランドで実施)では、消費者保護ルールを順守しているとみなされたサイトは44%にとどまった。各国当局は不正な商慣行が確認されたサイトを継続的に監視し、改善が見られないケースについては罰金やサイト閉鎖などの制裁を課している。

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欧州委のダッリ委員(保健・消費者政策担当)は声明で「調査結果はスイープが機能していることを証明している。引き続き各国当局と連携して消費者保護のための取り組みを強化していく」と強調。「我々はすでに次のセクターに狙いを定めている」と続け、EUレベルでチケット販売サイトに対する監視を強化する姿勢を示した。

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