2010/10/11

総合 –EUウオッチャー

欧州中銀が金利据え置き、総裁は為替変動の悪影響に言及

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)は7日に開いた定例政策理事会で、ユーロ圏16カ国に適用される最重要政策金利を現行の年1.0%に据え置くことを決めた。金利据え置きは17カ月連続で大方の予想通り。\ トリシェ総裁は理事会後の記者会見で […]

欧州中央銀行(ECB)は7日に開いた定例政策理事会で、ユーロ圏16カ国に適用される最重要政策金利を現行の年1.0%に据え置くことを決めた。金利据え置きは17カ月連続で大方の予想通り。

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トリシェ総裁は理事会後の記者会見で、欧州経済の先行きについて「下期は基本的な勢いを維持しながら緩やかなペースで回復する」としながらも「勝利宣言ではない」と語り、依然として非常に慎重な見方をしていることを示した。当面は金融市場への短期資金の無制限供給を続けるものの、流動性に対する異例の措置を段階的に減らしていく方針に変わりはないことを明言した。これは日銀が追加の金融緩和に踏み切り、米連邦準備制度理事会(FRB)が景気刺激のため緩和策の拡大を示唆しているのとは対照的な見解となった。

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一方、ユーロ相場が対ドルで急速に上昇し欧州企業の輸出競争力が損なわれる懸念が浮上していることに対して、トリシェ総裁はユーロ高に対する直接的な言及は避けながらも「為替相場は経済のファンダメンタルズを反映すべき」と指摘。為替相場の過度の変動や無秩序な動きは経済や金融の安定に悪影響を与えるとの見方を示した。ユーロはギリシャに端を発する財政危機とユーロ危機で6月に対ドルで1.1878ドルまで下落したものの、その後は上昇に転じて7日には一次的に1.4ドルを超えて8カ月ぶりの高値となっていた。

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