2010/10/25

産業・貿易

公共機関などの代金支払い遅延防止法案、欧州議会が可決

この記事の要約

欧州議会は20日の本会議で、EU内の公共機関や企業による代金支払いの遅延を防止するための法案を賛成多数で承認した。同法案は主に資金繰りが苦しい中小企業への支援を主眼としたもので、原則として請求から30日以内に支払うことを […]

欧州議会は20日の本会議で、EU内の公共機関や企業による代金支払いの遅延を防止するための法案を賛成多数で承認した。同法案は主に資金繰りが苦しい中小企業への支援を主眼としたもので、原則として請求から30日以内に支払うことを義務付ける。同法案は加盟国の承認を経て正式に成立するが、すでに加盟国側は同意しており、成立が確実。加盟国は成立から2年以内の新ルール実施を求められる。

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欧州委員会が2009年4月に発表した原案では、EU機関や加盟国の政府機関などによる代金支払いが対象で、しかも支払期限は取引先との合意によって決めるとし、共通の期限は設けられていなかった。

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これに関して欧州議会の担当委員会は今年4月、中小企業が大企業との取引で立場が弱いことを考慮し、企業間取引も規制の対象とし、さらに支払いが期限を過ぎた場合は請求額に上乗せした額を支払わせることも盛り込んだ修正案を採択。9月に欧州議会と加盟国の代表による調停委員会で合意に達していた。

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新ルールでは、公共機関は請求から30日以内の支払いを義務付けられる。やむ終えない事情があれば支払期限を60日まで延長することを認める。企業の支払いについても30日が期限だが、双方で合意すれば最大60日までの延長を認める。支払いが期限を過ぎた場合は、請求額に欧州中央銀行の政策金利プラス8%の利率を上乗せした額を支払わなければならない。

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欧州委によると、新ルールの施行により、年1,800億ユーロに及ぶ支払い遅延が解消される見込みという。

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