2010/11/1

競争法

独仏2社のCCSプロジェクト、欧州委がオランダの公的支援を承認

この記事の要約

欧州委員会は10月27日、オランダ政府が独エネルギー大手エーオンと同業の仏GDFスエズによる二酸化炭素回収・貯留(CCS)実証プロジェクトに1億5,000万ユーロの補助金を交付する計画を承認したと発表した。オランダ政府の […]

欧州委員会は10月27日、オランダ政府が独エネルギー大手エーオンと同業の仏GDFスエズによる二酸化炭素回収・貯留(CCS)実証プロジェクトに1億5,000万ユーロの補助金を交付する計画を承認したと発表した。オランダ政府の公的支援によってCCSの実用化に向けた大規模なプロジェクトの実現が可能になり、EU共通の利益につながると判断した。同プロジェクトはEUが2009年に景気対策の一環として打ち出した総額50億ユーロに上るインフラ投資計画の中で、ドイツや英国などのCCSプロジェクトと並んで1億8,000万ユーロのEU予算が割り当てられている。

\

エーオンとスエズはロッテルダム港に隣接するエーオンの火力発電所の隣に二酸化炭素(CO2)回収プラントを建設する計画を打ち出している。同プラントのCO2回収能力は年間110万トンに達する見通し。回収されたCO2はパイプラインで北海のガス田に運ばれ、そこで貯留される。

\

EUはCCS事業を温暖化対策の柱の1つと位置付け、2020年の実用化を目指している。欧州委はエーオンとスエズのプロジェクトについて、オランダ政府の資金支援がなければ少なくとも20年までに同事業を実現することは難しいと指摘。また、同国政府が補助金を交付する条件として、両社にプロジェクトの進捗状況や成果などの情報を広く公開することを義務付けていることから、著しく競争を阻害することなくCCSの実用化に向けた技術開発が促進されるとし、EUの定める国家補助規定の要件を満たしていると結論づけた。

\