2010/11/1

競争法

仏ベオリアによる英水道大手の事業取得を承認

この記事の要約

欧州委員会は10月28日、英水道サービス大手ユナイテッド・ユーティリティーズ・グループの上下水道事業の一部を仏環境マネジメント大手ベオリア・グループの子会社2社が取得する計画を承認した。競争に与える影響はないため。\ ベ […]

欧州委員会は10月28日、英水道サービス大手ユナイテッド・ユーティリティーズ・グループの上下水道事業の一部を仏環境マネジメント大手ベオリア・グループの子会社2社が取得する計画を承認した。競争に与える影響はないため。

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ベオリア・グループは廃棄物サービス、エネルギーサービス、運輸、水道サービスの4部門からなるが、ユナイテッド・ユーティリティーズの事業を取得するのは英国とアイルランドで上下水道サービスを提供する英子会社ベオリア・ウォーターUKと中東欧で同事業を手がけるチェコ子会社ヴェオリア・ヴォーダの2社。

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欧州委の調査では、水道会社などに対する施設の設計・建設・管理サービス事業や水道施設の運営・メンテナンスサービス(O&M)事業の市場で重複があるほか、小規模ながら2件の垂直関係も判明した。垂直関係のうち1件は、ベオリア・グループが地方自治体に上下水道処理システムの技術や設備の設計・建設を手がける川上市場と水道会社に対して上下水道施設のO&M委託サービスを提供する川下市場の間で、もう1件は水道会社に対する上下水道施設のO&M委託サービスを提供する川上市場と水道会社が個人・企業向けに提供する上下水道サービスの川下市場の間にあった。

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しかし水平関係の重複も垂直関係の問題も限られているため、欧州委はこの取引が競争を阻害する懸念はないと判断した。

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