2010/11/8

総合 –EUウオッチャー

欧州中銀が金利据え置き、追加金融緩和追随せず

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)は4日にフランクフルトで開いた定例政策理事会で、ユーロ圏16カ国に適用される最重要政策金利を現行の年1.0%に据え置くことを決めた。金利据え置きは18カ月連続。一方、トリシェ総裁は金融危機対策で導入 […]

欧州中央銀行(ECB)は4日にフランクフルトで開いた定例政策理事会で、ユーロ圏16カ国に適用される最重要政策金利を現行の年1.0%に据え置くことを決めた。金利据え置きは18カ月連続。一方、トリシェ総裁は金融危機対策で導入した非常時の金融政策を元に戻す「出口戦略」を推進する意向を示し、追加金融緩和に動く日米中銀と対照的な姿勢を打ち出した。

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米連邦準備制度理事会(FRB)は3日、量的金融緩和策の第2弾として6,000億ドルの米長期国債を買い取り、市場に大量の資金を供給することを決めた。これについてトリシェ総裁は理事会後の記者会見で、「FRBによるドル安誘導の戦略と疑う理由はない」とコメント。ECBの使命が物価安定であることを強調して「我々には我々の責任、使命がある」と述べ、金融緩和に追随しない姿勢を示した。

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さらにトリシェ総裁は、ユーロ圏経済の現状について「景気の見通しは依然として下向きに傾いており、不透明感が漂っている」と警戒感を示しながらも、景気は基本的に回復基調にあるとの認識を表明。12月の会合で「出口戦略」について協議することを明言した。市場への資金供給を縮小するかどうかを検討することを示唆した。

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