2010/11/15

総合 –EUウオッチャー

ユーロ圏の7-9月期成長率は0.4%、独の失速で大幅縮小

この記事の要約

EU統計局ユーロスタットが12日発表した2010年7-9月期のユーロ圏16カ国の域内総生産(GDP、実質ベースの速報値)は前期比0.4%増となり、5期連続でプラス成長となった。ただ、伸び率は前の期の1%を大きく下回った。 […]

EU統計局ユーロスタットが12日発表した2010年7-9月期のユーロ圏16カ国の域内総生産(GDP、実質ベースの速報値)は前期比0.4%増となり、5期連続でプラス成長となった。ただ、伸び率は前の期の1%を大きく下回った。最大の経済国であるドイツの成長率が大幅に鈍化したことが反映された。フランス、イタリア、英国など主要国でも成長が失速。オランダはマイナス成長となった。(表参照)

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EU27カ国ベースのGDPも0.4%増で、前期の1%から縮小した。前年同期の伸び率はユーロ圏が前期と同水準の1.9%、EUが0.1ポイント増の2.1%だった。

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今回のGDP速報値には、EU20カ国のデータが反映されている。ドイツは内需、外需とも堅調で前期比0.7%の成長を示したが、伸び率は前期の2.3%を大きく下回った。フランスは0.4%、イタリアは0.2%、英国は0.8%で、いずれも伸び率は前期から縮小。オランダは前期のプラス0.9%からマイナス0.1%に落ち込んだ。

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財政悪化による信用不安がくすぶる国では、ギリシャがマイナス1.1%となった一方で、ポルトガルはプラス0.4%と、上げ幅が前期の0.2%から拡大した。スペインはゼロ成長となった。

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ユーロ圏経済はドイツに支えられて回復基調を維持したものの、ドイツの成長は減速が避けられない見通し。同国への輸出に頼る近隣国の景気回復にも影響を及ぼすとみられ、ユーロ圏は10-12月期に回復のペースが一段と鈍化するのは必至との見方が多い。

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