2010/11/29

欧州ビジネスウオッチ

独SAPに13億ドル支払い命令、オラクル知財権侵害で米陪審

この記事の要約

ソフト大手の独SAPが米子会社を通して競合オラクルのコンピューターからソフトウエアを不正にダウンロードしていた事件で、カリフォルニア州オークランド連邦地裁の陪審団は23日、SAPに13億ドルの支払いを命じる評決を下した。 […]

ソフト大手の独SAPが米子会社を通して競合オラクルのコンピューターからソフトウエアを不正にダウンロードしていた事件で、カリフォルニア州オークランド連邦地裁の陪審団は23日、SAPに13億ドルの支払いを命じる評決を下した。ブルームバーグ通信によると、知財権訴訟の賠償金額としては過去最高。SAPは知財権侵害の事実を認めているものの、賠償額が大きすぎ妥当性を欠くとしており、控訴などあらゆる可能性を検討する意向だ。

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オラクルのソフトを不正にダウンロードしていたのは、SAPが2005年に買収したソフトウエア保守管理会社のトゥモローナウ。同社はオラクルが同年に買収したピープルソフトの保守を専門に手がけてきた経緯があり、SAPはトゥモローナウを買収することで、オラクルによるピープルソフト買収でサービスの先行きに不安を持つピープルソフト顧客の取り込みを図った。

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トゥモローナウはオラクル側から奪った顧客企業に対するソフトウエア保守業務を進めるなかで不正ダウンロードを行っていた。SAPはオラクルから提訴された07年春の時点で容疑を否認していたものの、後に責任を認めた。

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賠償金額に関してはオラクルが2億8,800万~30億ドルを要求しているのに対し、SAPは2,800万~4,100万ドルが妥当と反論。主張は大きく食い違っていた。

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