2010/12/6

環境・通信・その他

EU5カ国とスイスが「機能的空域ブロック」協定締結、単一欧州空域構想が前進

この記事の要約

仏独などEU5カ国とスイスは2日、管制空域の再編を通じた航空輸送の効率化を目的とする「機能的空域ブロック-中央ヨーロッパ(FABEC)」の創設に関する協定を締結した。EU域内に創設される機能的空域ブロック(FAB)は英国 […]

仏独などEU5カ国とスイスは2日、管制空域の再編を通じた航空輸送の効率化を目的とする「機能的空域ブロック-中央ヨーロッパ(FABEC)」の創設に関する協定を締結した。EU域内に創設される機能的空域ブロック(FAB)は英国/アイルランド、デンマーク/スウェーデンに次いで3番目。世界で最も複雑で混雑する空域をカバーするFABECの創設により、EUが2012年の実現を目指す「単一欧州空域」構想は大きく前進しそうだ。

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欧州では国ごとに細分化された航空交通管制に従って飛行ルートが設定されており、EU域内を結ぶ航空機の多くが迂回飛行を強いられている。その一方、燃料費の高騰や温暖化対策への対応を求められる航空会社にとって、燃料コストの圧縮や温室効果ガス排出量の大幅削減が急務となっている。このためEUは域内の管制空域を再編して最短ルートでの飛行を可能にすることなどを柱とする単一欧州空域構想を掲げ、12年12月4日までに域内の管制空域を9つのブロックに再編して安全対策や航空管制業務に関する共通ルールを導入する計画を打ち出している。

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FABEC協定に調印したのはフランス、ドイツ、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクとスイスの6カ国。欧州委のカラス副委員長(運輸担当)は声明で「単一欧州空域のイニシアチブを進めるうえで、主要空港が集中する欧州の中核エリアをカバーするFABECの創設は極めて重要な意味を持つ。残るすべての地域で2年後の達成期限までに機能的空域ブロックが形成されると確信している」と述べた。

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