2010/12/13

総合 –EUウオッチャー

11年EU予算案が年内成立へ、権限拡大条件に欧州議会が譲歩

この記事の要約

EU加盟国と欧州議会は10日までに、総額1,265億ユーロ(前年比2.9%増)の2010年EU予算案で基本合意した。今月15日に開く欧州議会本会議での採決を経て、16-17日のEU首脳会議で正式に承認される見通し。11年 […]

EU加盟国と欧州議会は10日までに、総額1,265億ユーロ(前年比2.9%増)の2010年EU予算案で基本合意した。今月15日に開く欧州議会本会議での採決を経て、16-17日のEU首脳会議で正式に承認される見通し。11年予算をめぐっては、緊縮財政を求める加盟国と予算審議における権限拡大を主張する欧州議会の間で協議が決裂。年内の成立が危ぶまれていたが、欧州委員会が11月末に新たな予算案を提示し、双方に歩み寄りを求めていた。

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予算案はEU議長国ベルギーと欧州議会の代表による6日の会合で暫定合意に達し、これを受けて8日の欧州議会予算委員会と10日のEU閣僚理事会で承認された。欧州委は当初、新機関の創設費用がかさむことなどを理由に、約1,300億ユーロ(前年比5.9%増)の予算案を提出。欧州議会もこれを承認していたが、巨額の財政赤字を抱えて緊縮財政を進める各国政府の事情を考慮して、最終的に「2.9%を超えるEU予算の拡大は認められない」とする加盟国の主張に譲歩した。一方、加盟国側は予算審議における欧州議会の権限拡大に合意しており、今後は中期予算計画の策定プロセスで欧州議会の発言力が大幅に増すことになる。

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