2010/12/20

総合 –EUウオッチャー

欧州中銀が資本倍増、国債買い取り拡大で

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)は16日開いた政策理事会で、自己資本を現在の57億6,000万ユーロから107億6,000万ユーロに倍増することを決めた。5月に開始したユーロ圏国債の買い取りが拡大していることを受けたもの。増資は1 […]

欧州中央銀行(ECB)は16日開いた政策理事会で、自己資本を現在の57億6,000万ユーロから107億6,000万ユーロに倍増することを決めた。5月に開始したユーロ圏国債の買い取りが拡大していることを受けたもの。増資は12月29日に実施する。

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ECBはユーロ圏の金融市場がギリシャ危機で大きく揺れていた5月、機能不全に陥った市場での流動性を確保するため、ユーロ圏の財政不安がある国の国債買い取りを開始。第1週には165億ユーロもの買い取りを実施した。ギリシャ危機が一服したことを受け、その後は買い取りを縮小させ、10月末、11月初めには買い取りを停止していた。

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しかし、アイルランドで信用不安が拡大し、ポルトガル、スペインなど財政悪化が深刻な国に飛び火するのを防ぐため、トリシェ総裁は12月初めに国債買い取りの継続を言明。13日には10日までの1週間に総額26億6,700万ユーロの国債を購入したと発表していた。買い取り額は前週の19億6,500万ユーロを上回り、1週間の購入額としては7月以来の高水準となる。詳細は未公表だが、アイルランド、ポルトガルの国債を重点的に購入したもよう。これにより、これまでの国債購入額は約720億ユーロに達した。

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ECBによる増資は発足以来初めて。ユーロ参加国の中央銀行が拠出金を増やす形で実施する。

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