2010/12/20

総合 –EUウオッチャー

モンテネグロが加盟候補国に正式認定、EUが首脳会議で承認

この記事の要約

EUは17日の首脳会議で、モンテネグロを加盟候補国として認定することを承認した。これにより同国は正式な加盟候補国となり、悲願のEU加盟に向けて大きく前進。次のステップとして加盟交渉の開始を目指す。\ モンテネグロはバルカ […]

EUは17日の首脳会議で、モンテネグロを加盟候補国として認定することを承認した。これにより同国は正式な加盟候補国となり、悲願のEU加盟に向けて大きく前進。次のステップとして加盟交渉の開始を目指す。

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モンテネグロはバルカン半島にある人口約67万人の小国。2006年にセルビアとの国家連合を解消して独立した。2008年12月に加盟を正式申請し、今年11月に欧州委員会は加盟候補国認定を加盟国に勧告していた。

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EU加盟を目指す国々のうち、これまでに加盟候補国として認定されたのはクロアチア、トルコ、マケドニア、アイスランドの4カ国。うちマケドニアを除く3カ国がすでに加盟交渉を開始している。

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モンテネグロは、南北キプロス分断問題を抱えるトルコ、国名をめぐってギリシャと対立するマケドニアのような現EU加盟国との外交問題はなく、EU加盟のため国内改革に集中すればいい状況にある。EUが最大の課題として指摘しているのは、バルカン諸国の慢性病ともいえる汚職・組織犯罪の対策強化。EUは今回、同分野での改革が遅れていることから、加盟交渉開始の決定は見送り、日程についても言及しなかった。

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EUはルーマニアとブルガリアが汚職・組織犯罪対策で基準を満たしていないにもかかわらず2007年に加盟させたが、両国が現在も問題を解消していないという苦い経験を持つ。2004年以降の短期間に12カ国をも受け入れ、“拡大疲労”という問題が持ち上がっているEUが、新たな加盟に慎重になっていることもあり、モンテネグロは早期の加盟実現に向けて改革の強化を急ぐことになりそうだ。

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