2010/12/20

総合 –EUウオッチャー

スロバキアは「ユーロ離脱を」、国会議長の発言が波紋

この記事の要約

スロバキアのシュリーク国会議長が、ユーロ圏の信用不安問題を受けて、同国はユーロ脱退を検討するべきとの考えを表明し、波紋を広げている。同議長は13日付の地元紙に掲載された寄稿で、ギリシャなどの財政危機でユーロの信用が揺らい […]

スロバキアのシュリーク国会議長が、ユーロ圏の信用不安問題を受けて、同国はユーロ脱退を検討するべきとの考えを表明し、波紋を広げている。同議長は13日付の地元紙に掲載された寄稿で、ギリシャなどの財政危機でユーロの信用が揺らいでいることに言及。「もはやユーロ圏のリーダーを盲目的に信用することはできない。(我が国は)プランBとして、(旧通貨の)コルナを再導入する準備をするべきだ」と述べた。

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シュリーク議長は、同国が2009年にユーロを導入した際は、通貨の安定とルールの厳格な適用が約束されていたが、現在では財政規律が事実上形骸化して多くの国が深刻な財政危機に陥っていると指摘。国益のためユーロ圏から離脱し、コルナを再導入することもあり得るとの考えを示した。

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ユーロ圏各国と国際通貨基金(IMF)が5月、ギリシャに総額1,100億ユーロの緊急融資を実施することを決めた際、スロバキアはユーロ圏で唯一、ギリシャより貧しいスロバキアが、同国の放漫財政の尻拭いをさせられるのはおかしいとして、拠出の分担を拒否した経緯がある。

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スロバキアのラディチョヴァー首相は14日、「ユーロ離脱という選択肢を考えるだけでもユーロの安定を損なう。極めて危険なことだ」と述べ、「ユーロ離脱を一瞬たりとも考えたことはない」と火消しに努めたが、中東欧諸国ではポーランドなどが早期のユーロ導入に消極的な姿勢をみせており、ユーロ圏の信用不安が通貨統合懐疑論をあおっている状況だ。

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