2010/12/20

環境・通信・その他

外国人への麻薬販売制限は妥当、欧州裁がオランダの市条例を支持

この記事の要約

欧州司法裁判所は16日、オランダのマーストリヒト市が条例で市内のコーヒーショップに対して国内居住者以外に大麻の販売を禁止している措置の是非をめぐる訴訟で、同規制は域内の国籍による差別禁止や移動の自由を定めたEUのルールに […]

欧州司法裁判所は16日、オランダのマーストリヒト市が条例で市内のコーヒーショップに対して国内居住者以外に大麻の販売を禁止している措置の是非をめぐる訴訟で、同規制は域内の国籍による差別禁止や移動の自由を定めたEUのルールに違反しないとの判断を下した。麻薬観光への対策措置として制限は正当化できるとして、コーヒーショップ経営者側の訴えを退けた。

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マーストリヒト市内には麻薬を販売するコーヒーショップが14軒あり毎日1万人程度が利用しているが、うち70%は近隣のドイツやベルギーをはじめ国外からの訪問者とされる。同市は2005年に条例を施行し、2006年に1軒のコーヒーショップを条例違反で一時休業させた。これに対してコーヒーショップのオーナーは条例がEUのルールに違反するとして訴えていた。

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欧州司法裁は今回、「制限は麻薬観光対策や社会的迷惑の観点から正当化される」として、域内の社会的秩序やEU市民の健康に対する配慮に言及した。同裁判所によればベルギーやドイツ、フランスの各政府は、大麻の違法輸出を含めて麻薬観光を自国における社会的秩序の問題と結び付けているという。

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オランダでは1970年代から大麻などソフトドラッグについては、5グラム未満の所持やコーヒーショップでの販売を処罰の対象からはずす寛容政策をとっている。しかし政府は先月、マーストリヒト市の条例と同じ規制を国内全土に導入する方針を明らかにしている。

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