2011/1/3

総合 –EUウオッチャー

非居住者の交通違反摘発強化、新システムで“逃げ得”許さず

この記事の要約

EU加盟国は先ごろ開いた運輸相理事会で、域内で悪質な交通違反を犯したドライバーを、国境を越えて摘発できるシステムを構築する法案を承認した。ある加盟国のドライバーが他の加盟国を走行中に違反を犯した場合、現在は非居住者による […]

EU加盟国は先ごろ開いた運輸相理事会で、域内で悪質な交通違反を犯したドライバーを、国境を越えて摘発できるシステムを構築する法案を承認した。ある加盟国のドライバーが他の加盟国を走行中に違反を犯した場合、現在は非居住者による交通違反は身元や住所の確認が難しいことなどから摘発を免れるケースが多いが、各国当局が自動車のナンバーなど登録データを共有することで身元を用意に確認し、“逃げ得”を許さないようにする。

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対象となるのは、スピード違反、信号無視、シートベルト未着用、飲酒運転、薬物影響下での運転、運転中の不適切な携帯電話使用など、事故につながりかねない8種類の違反。駐車違反は安全上の問題はないことから対象外となる。

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新システムが導入されると、たとえばフランスで英国人ドライバーのスピード違反が監視カメラで発覚すると、仏当局が直ちに違反車のナンバーをデータ照会して身元を突き止め、交通反則告知書を送付して罰金を納めさせることができるようになる。

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欧州委員会によると、EUでは非居住者が交通違反を犯す率は居住者の3倍に上る。観光客が多いフランスでは、観光シーズンに発生するスピード違反の40%が外国人旅行者によるものというデータもある。

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法案は欧州議会の承認を経て成立となる。欧州委は2013年までの発効を見込んでいる。

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