EU統計局ユーロスタットがこのほど発表した2010年7-9月期のユーロ圏(11年1月に参加したエストニアを除く16カ国)の労働コスト(時間当たり)上昇率は、物価変動を加味しない名目ベースで前年同期比0.8%となり、統計が始まった2000年以降の最低記録を前期に続いて更新した。景気は回復しているものの、企業はなお先行き不透明感が強く、賃上げに慎重になっていることがうかがえる。(表参照)
\労働コストの大部分を占める賃金・給与の上昇率が0.7%、非賃金コストの上昇率が1.2%だった。産業別の上昇率は鉱工業が0.3%、建設業が0.6%、サービス業が1.1%。
\EU27カ国ベースの労働コスト上昇率は1.2%。データが出そろっている23カ国では、ギリシャ、スペイン、ラトビア、リトアニア、オランダ、ポルトガル、フィンランドは上昇率がマイナス。下げ幅は財政悪化で厳しい緊縮政策をとっているギリシャが6.6%とずば抜けて大きかった。一方、ブルガリアは10.2%増と大幅な賃上げとなっている。
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